
●秋山徹次(AKIYAMA Tetuzi)
プロフィール
ギターという楽器の持つ特質に、自身の欲求をミニマルかつストレートな形で加えていくことによる、原始的で即物的な意味合いを含んだ演奏を得意とする。ミクロからマクロに至る音量を、繊細に、ときには大胆にコントロールし、身体の電子化を試みる。
(写真:2007年3月、米サンアントニオ「Salon Mijangos」にて。提供:nariposaさん)
●公式ホームページ >>>
(Improvised Music from Japan)
公演予定や略歴、ディスコグラフフィーなどが掲載されています。
●海外公演歴一覧>>>
●旅日記:2003年5月~6月
TOUR DIALY EUROPE TOUR 2003 MAY-JUNE >>>
|
|
音楽家の秋山徹次さんにご登場いただきました。
秋山さんは、ギターを携え、実に多くの国々で公演をし、実に多くのCDをリリースしています。
今回、その原点ともいえる、2003年5月から6月にかけ、フランスをスタートしドイツ・スイス・イギリスをめぐるツアーの旅日記を寄せてもらいました。
それまでにも数々の海外公演をしてきた秋山さんですが、このツアー以降、同じようなスタイルで、さらにアメリカ・北欧・などなど幅広いエリアを舞台に飛び回るようになります。
その旅日記をひもとき、2007年5月から振り返ってみた感想についてうかがいました。
●TOUR DIALY EUROPE TOUR 2003 MAY-JUNE >>>
-おかえりなさいませ、旅(※1)はいかがでしたか?
(※2007年5月、ヨーロッパツアーを実施)
「パリで行われた「Sonic Protest」というフェスティヴァルやケルンでのノエル・アクショテとのデュオ以外にも、いろいろそれぞれの場所でトピックはあったのですが、初めて訪れたポーランドがやはり印象的でした。ほとんど準備期間がなかったにもかかわらず、オーガナイザーの人達がすごく良くしてくれました。また地元の音楽家との共演も興味深かったです。
-さて、今回2003年の旅日記がようやく公開にいたりました。
今ふりかえって、思うことなど・・・
これは個人的な覚え書きとして書いていたもので、まさか公開するとは思っていませんでした。それに残念ながら日記を書き続ける事に頓挫して途中で終わっています。しかしながら、こうして読んで振り返ってみると、我ながら謙虚に旅を進めているものだなあと感心して、初心に帰る思いを新たにしました。その後のツアーと比べて変わっている事と言えば、やはりどんどん旅慣れていったということでしょうか。飛行機がキャンセルになったり航空会社がギターを紛失したりしても、それほど慌てなくなり冷静に対処出来るようになりました。
-旅日記に登場する会場ジュネーヴの「Cave12」に今回も出演。この4年の間に存続があやぶまれたり、裁判があったりしたとのことですが、これに関連して、海外の芸術家たちの活動事情や文化などについて、感じるところがあれば、お聞かせください。
「Cave12」は辛うじて存続していますが、まだジュネーヴ市当局との軋轢があるようで、閉鎖の危機を完全に免れた訳ではないみたいです。しかしながら世界中のどの場所とも比べても、非常に面白いプログラミングを数多く常に続けていけるのは、やはりメインオーガナイザーのフェルナンド・シクストをはじめ、ここのチームが一丸となってがんばっているからに他なりません。ここ以外ではポルトガルのリスボンにある「ZDB」も、年間140本くらいのライヴの企画をしています。特にヨーロッパで思うのは、運賃の安い航空会社がたくさんある事で、長距離の移動を含めたツアーでも割と頻繁に行われているみたいです。あと思うのは、それぞれの国や町によって、ライヴの始まる時間がすごく遅かったりします。夜11時くらいから夜中1時までというのもよくあります。とはいうものの、あまりうるさくすると結構警察が来たりすることも多いので、個人的には早く始めたいのですが。
-今後の活動について、教えてください。
日本にいる間に、いくつかのレーベルと約束しておきながら、まだ制作が滞っている作品を仕上げていきたいと思います。中には割と古い音源もあって、歌ものもあります。
あとは、私のアコースティックギターの演奏をサンプリングしてリミックス作品を作る案もあります。とはいってもエレクトロニクス調にするのではなく、あくまでもアコースティックの演奏のままです。これはポーランドとベルリンのミュージシャンにやってもらう予定です。
今後は自分でももっと録音およびマスタリングをしていこうと思います。しかし全編コンピュータを使うよりも、途中のプロセスにおいてはほぼアナログの機材を通して行おうかと思っています。
(2007年6月)
+NEWS 2007.9.2
CAVE12、およびRhinoがジュネーヴ市当局により強制排除に
旅日記に登場し、上記インタビューでも触れられているCAVE12とそこががこ入居しているRhinoという2棟のスクワットがこのほど、ジュネーヴ市当局と警察によって強制排除されてしまったとの情報を秋山さんが寄せてくれました。
本サイトでは、現在この件についてリサーチ中です。調査・分析ができ次第、レポートしていく予定です。(KHSF)
スイスのニュースサイト「SWISSINFO」のページ>>>
http://www.swissinfo.org/eng/swissinfo.html?siteSect=881&sid=8037888
http://www.swissinfo.org/eng/swissinfo.html?siteSect=881&sid=8048017
+NEWS 2007.9.15
続報。CAVE12、反対運動への参加を広く呼びかける
今回の事態をうけ、CAVE12は現在別の場所を借りながら「CAVE12」としてコンサートを開催し続けている。そんな中、「オルタナティブ文化の根絶をだまって見過ごすわけにはいかない」と、これに立ち向かうべくアクションを起こし、広く参加を呼びかけている。
アクションの具体的な内容は、反対メッセージを集め、政策立案者、各種メディア、地権者や強制退去執行者などに送り届け、世論を動かしていこうというもの。「ほんの数行でもかまわない。何より大切なことは、あなたのすばやいリアクションです」(CAVE12WEBサイトより)と、訴える。(KHSF)
CAVE12ホームページ>>>
http://www.cave12.org/
+NEWS 2007.10.8
KOKEKOの藤本さんから、寄稿
フランスを中心に欧州でオルタナティブ音楽コンサートなどを手がける、在パリのアソシエーションKOKEKOの藤本智子さんが、今回の強制排除について「実際のところ、問題の背景はもっと複雑なのだが」と前置きした上で、コメントを寄せてくれた。
*****
「Cave12はコンサート活動で特に知られていますが、Cave12の入っている建物で今回強制退去の対象となったRhinoにはおよそ100人が住んでいたわけで、中には子供や妊婦さんも居て、彼らがいきなり全員着の身着のままホームレスになったんです。彼らの報告を読む限りでは、退去の際はガスや水攻めで散々だったみたいです。さらに立ち入り一切禁止ですから、私物も取りにいけない。個人的には、コンサートの継続やオルタナティブカルチャーの存続云々よりも(第一、こんな状況でもめげずに他の場所でプログラムを続けています)、彼らが建物の所有者と数年間にわたって繰り返してきた賃貸契約の交渉がまったく考慮されず、いきなり、しかもかなり乱暴な退去、となったことに対して憤りを感じています。ジュネーヴ市や諸々の文化施設への来客をこのスクアットに泊めたこともあるそうだし、市が企画している音楽祭に参加協力したこともあったのに、今はすっかり犯罪者扱い。「ジュネーヴ市はRhinoを利用しておいて方針が変わったからポイ」というのが、文化活動云々以前の私のすごく単純な感想です。
またRhinoだけではなく、ジュネーヴの全てのスクアットが近い将来同じ目に会わされることが考えられます。スクアット住民の強制退去はフランスでもどこでもあって、Rhinoの件はそのうちの一つにしか見えないかもしれません。それにしても、建物の占拠を合法化するための交渉をしてきたこと、また、10年間放置されていた建物が、住居としてだけでなくジュネーブ市の文化活動推進にも貢献し、それによって建物自体の荒廃も免れ、良い状態で保存されていること、この2点はしっかり尊重されるべきで、今回の件は権力が振るった暴力としかいいようがありません。スクワット住人を単なる不法占拠者という目で見たとしても、どんな正当な口実をもってこの二つを無視できるでしょうか。
ちなみに「ジュネーブトリビューン」のフォーラムではこの件について700以上のコメントが上がっていますが(http://forum.tdg.ch/fr/)、多くの意見は「私たちはこんなにがんばって毎日あくせく働いて家賃と税金を払って、あの人たちは家賃も払わないのは不公平だ。追い出してくれた市よ、警察よ、ありがとう!」といった代物で、文化なんて言葉を出そうものなら、無視されるか、バシンバシンに叩かれて、ひどいのではテロリスト扱いされる始末です。分野はどうあれ、私たちは曲がりなりにも文化活動に携わっているわけですから、こんな「皆と同じにしない者は締め出せ」的な雰囲気に飲み込まれてはいけないと思います。」(藤本さん)
KOKEKOホームページ>>>
http://www.kokeko.net/
*****
スクワットといっても、入居する人や組織によってさまざまで、Rhinoの場合はかなりオフィシャルなものとして機能していたことがうかがえる。
市の文化事業に協力させる、ということはすなわち市はその存在を認めているというわけで、スクワット(=不法占拠)とはいえ、ある意味、市は一時期にせよ合法とみなしていた言えるのではないか?という素朴な疑問がわいてくるのだが、どうも一筋縄ではいかないようだ。日本で言うところの借地権問題ともまた違った複雑さがあるようだ。
また人道的にどうかと思われるような追い出し方だったにもかかわらず、世論がそれについて肯定的に捉えているということが、管理人としては意外な感想を持った。継続して、この件についてとりあげていく。(KHSF)
|